「任意後見契約」を結ぶと、将来、実際に判断能力が低下したときに、あらかじめ頼んでおいた相手(任意後見人)が、さまざまな事務手続きを代行してくれます。
では、具体的に、任意後見人は本人に代わってどんなことを行えるのでしょうか。
財産管理の問題
基本的に、不動産や動産など財産にまつわることはすべて代理できると考えてよいでしょう。委任契約と異なり、財産の管理や保存だけでなく「処分」まで出来るというように、かなり広範な内容になっています。
療養看護
入院や主ずつのために必要な手続きや、介護サービスの申し込みなど、本人の心身を守るために必要な手続き全般を任意後見人が代理できます。
判断能力が低下すると、本人はどんな治療や介護が必要か判断できず、介護保険制度を利用するための手続きも出来ないため、任意後見人が本人にとって最適と思われる方法を選択して手続きすることになります。
任意後見人に依頼できないもの
任意後見人は、あくまでも本人が最適な治療や介護を受けるためのサポート体制を整えるだけで、介護そのものを行うわけではありません。実際に食事や排泄の解除をするのは契約を結んだヘルパーなどの第三者です。
また、任意後見人は、本人の病気の治療について、一般的な投薬、検査などの医療行為に対しては本人に代わって同意できますが、重大手術を行うかどうかに対する同意権はないとされています。
延命治療の指定についても同様です。