相続法制の見直しを検討する法制審議会(法相の諮問機関)の部会は18日、遺産分割時の配偶者の法定相続分を現行の2分の1から「3分の2」に引き上げることなどを柱とした中間試案について、「試案のままで議論を進めるのは困難」との意見で一致した。同審議会は今後、試案の修正か、代案を検討する。
法制審は6月、中間試案をとりまとめた。法務省が7~9月に意見公募を実施したところ、「配偶者の相続分のみを一律に増加させることは相当ではない」などの反対意見が多数を占めたという。法制審はこの結果を受けて判断した。
中間試案は、配偶者の相続分を(1)結婚後に相続財産が一定以上増加した(2)婚姻期間が長期だった--などの場合に増加させるものだった。しかし、意見公募の結果、(1)について「婚姻後の財産増加額の算定を巡って相続の紛争が複雑化する」、(2)については「夫婦関係が破綻して、配偶者の貢献が認められない場合でも相続分が増加し、公平を害する」など、いずれも反対意見が多数だったという。意見公募には団体や個人から計167件の意見が寄せられた。